聖衣剥奪

 


目次

◆天地創造
◆アダムの創造
◆女の創造
◆蛇の誘惑
◆楽園追放
◆楽園追放
◆カインとアベル
◆ノアの箱舟
◆大洪水
◆鳩を放つ(ミレイ)
◆鳩を放つ(ドレ)
◆ノアの祭壇
◆受胎告知
◆羊飼いの礼拝
◆東方三博士の旅
◆三博士の礼拝
◆エルサレム入城
◆弟子の足を洗うキリスト
◆最後の晩餐
◆ゲッセマネの祈り
◆聖衣剥奪
◆十字架の下での悲しみ
◆十字架降下
◆我に触れるな
◆キリストの洗礼1
◆キリストの洗礼2
◆悪魔の誘惑
◆ペテロとアンデレの召命
◆マタイの召命

日本聖書協会発行『アートバイブル』より
『アートバイブル』の絵の使用については、当サイトより日本聖書協会に申請をして、同協会より許諾を得ています。」2007N10010 ●聖書からの黙想は、:坂野慧吉著「創世記」『新聖書講解シリーズ:旧約1」(いのちのことば社発行):を参照しています。

「名画で巡る聖書の旅」

バイブル・アンド・アート・ミニストリーズ / 代表 町田 俊之

■第21回 エル・グレコの「聖衣剥奪」(1577-79年、ドレド大聖堂)

21、エル・グレコの「聖衣剥奪」<アートバイブル:p.159>

◆ 聖書箇所

 それから、総督の兵士たちは、イエスを官邸の中に連れて行って、イエスの回りに全部隊を集めた。そして、イエスの着物を脱がせて、緋色の上着を着せた。それから、いばらで冠を編み、頭にかぶらせ、右手に葦を持たせた。そして、彼らはイエスの前にひざまずいて、からかって言った。「ユダヤ人の王さま。ばんざい。」また彼らはイエスにつばきをかけ、葦を取り上げてイエスの頭をたたいた。こんなふうに、イエスをからかったあげく、その着物を脱がせて、もとの着物を着せ、十字架につけるために連れ出した。

                         

◆聖書からの黙想

・ 総督ピラトの兵士たちは、イエスを官邸の中に連れて行き、さんざん嘲笑した。この官邸は神殿の北西にあるアントニア要塞だと考えられる。ここにはエルサレムの治安を維持するために、約二百人からなるローマ兵の部隊が常駐していた。彼らはイエスに自分たちの緋色のマントを着せて、それを王のマントに見立て、王冠のかわりにいばらで編んだ冠をかぶらせ、葦の棒を持たせた。これはイエスを誰であるかを知らない者がする侮辱であり見せしめであり、陰湿な暴力であった。しかも、彼らはそのマントを脱がせて、イエスに恥ずかしめをも与えたのであった。ここには人間の持つ無知からくる偏見と、それに基づく暴走の激しさが描写されている。しかしイエスは、その非力さをもって、兵士たちの屈辱に耐えられた。

◆絵画からの瞑想

・ この絵の特徴は、何といってもイエスが画面の中央を占めていることです。そして周りの人々の状況とイエスの表情が対照的です。イエスを捉え、イエスの王のしるしである緋色のマントを着せ、手にはロープでしばって、人々は恥ずかし目を与えています。そして周りの人々は暴力的で、野蛮で、醜い姿を表わしています。人々がごったがえして喧噪な中、ただお一人イエスは、天を目ざして、不動な姿で私たちの前に現われています。
・ イエスの両側の二人の男たちは、イエスとともに十字架につけられた強盗であり、後にともに十字架につけられることを暗示しています。また、画面の右下にはイエスに十字架を運ばせるための準備がなされています。そして、画面の左下には、イエスに最後まで付き従っていた女たちが描かれています。
・ この絵は等身大のイエスが描かれていて、見上げる場所に置かれていますので、間近で見る者を圧倒します。イエスは恥ずかし目や屈辱を味わいながらも、神への信仰をもって力強く歩まれたことを印象深く描かれています。

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