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浜島敏
神様からのメッセージ
-聖書は偉大なラブレター

浜島 敏著 イーグレープ刊


第三章 聖書を翻訳した人たち


ウィリアム・ティンダルの翻訳(英語)

ティンダルの肖像   ルターとちょうど同じころ、イギリスでもルターと同じ考えの人がいました。ウィクリフもそうだったのですが、それからもう百年以上経っていました。今度の人は、ティンダルといいます。ティンダルはルターの教えを、その通りだと思うようになりました。そして、オックスフォード大学やケンブリッジ大学で勉強をして、聖書の言葉であるギリシア語やヘブル語を学びました。ある時、教会の先生たちが、聖書などどうでも良いと言っているのを聞いて、「いつか、私は聖書を翻訳してみせます」と言いきりました。ティンダルは語学の天才といわれるほど、すばらしい才能を見せ、これらの言葉を身につけました。初めは、イギリスで聖書を英語に翻訳しようと思いましたが、反対が多すぎてとても無理であることが分かりました。そこで、ルターのいるドイツに行くことに決めました。
  そして、ドイツでとうとう印刷を始めましたが、大変です、反対している人に見つかってしまいました。ティンダルは一枚でも印刷したものを無駄にしたくなかったので、できたての聖書(まだ本になっていませんので、ばらばらの紙)を持って、別の町まで逃げて、ようやくそこで無事に印刷しました。でも、英語ですから読んで欲しい人は海の向こうのイギリスにいます。仕方なくティンダルは、オランダ人などの船員に頼んでロンドンまで内緒で届けてもらいました。残念ながら正式なルートで送ることはできませんでしたので、小麦袋などに詰め込んで、隠して送りました。たくさんの人たちがこのティンダルの翻訳した英語の新約聖書を買って読み、神さまのことを信じるようになりました。実は、買う人も命がけでした。英語の聖書を持っていることが警察に見つかったら、もちろん取り上げられますが、そればかりではありません。国に黙って聖書を買ったというだけの理由で、死刑になることもあったのです。ですから、見つからないように大事に隠しておき、誰もいない夜にそっと読んだりしていました。
ティンダルの聖書  ティンダルは次に旧約聖書も翻訳し始めました。最初の部分だけは出版しましたが、残りの部分を翻訳している途中で、警察に捕まえられてしまいました。そしてベルギーの牢屋に入れられ、寒い冬の間、風邪に悩まされていましたが、そんな苦しいことよりも、なによりももっと聖書をイギリスの人たちに読んでもらいたい一心で、牢屋の中でもヘブル語の聖書と辞書を使って翻訳を進めようとしていました。しかし、とうとう裁判にかけられ、死刑が宣告され、広場のみんなの見ている前で殺されました。ティンダル殉教の場面ティンダルは最後に大声を振り絞って「神さま、イギリス王の目を開いてください」とお祈りしました。王様が早く聖書が大切であることに気がついて、イギリス人が自由に聖書が読めるようにと願ったのでした。そのお祈りに神さまはすぐ応えてくださって、その三年後には、王様の命令によってイギリスの教会には英語の聖書を備えることが義務づけられたのです。
  このようにして、それから百年も経たないうちに、ヨーロッパのほとんどの言葉に聖書は翻訳されたのです。

 

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