○成功の秘訣 早起き
─成功の秘訣ということで、ふたつの事をおっしゃっていましたね。朝2時間祈る、そして朝型に変える、ということでした。朝2時間お祈りをされる、とおっしゃったのですけれども、朝何時ごろ起きるのですか?
上田:朝4時半に起きる、ということで、計画してやっているんですけれども、できない時もありますね。
─そうすると、夜は何時ごろお休みになるのですか?
上田:9時には寝るようにしているのですが、実際には10時、11時頃になる場合がありますね。
─ま、でも眠くても起きてやっているということですね。
上田:週末は厳しいですね。
─お休みは定期的に取っていらっしゃるのですか?土曜日、日曜日はお休みになるのですか?
上田:土曜、日曜日は休みです。日曜日は礼拝と教会生活中心の一日ですね。土曜日は何かと用が出てくるのですが、ゆっくりできるのは月に1回ぐらいです。
─それで、2時間のお祈りの過ごし方なんですけれども、どんな形でやっていらっしゃるのでしょうか。
上田:そうですね。私の場合はまず、静まる。10分ぐらいはただ静まっているだけ。そして声を出して神様を賛美する。神様はすべてをご存知の方、愛してくださっている方、すべてをご存知で、万能である、知恵のある方、私達にはとてもわからない方であると。とにかく賛美をして、賛美をしていると、いかに自分がつまらない、力がない、罪ばかり犯している愚かな者だということで、悔い改めたりします。そういう中で、とにかく賛美をできるだけして、「神様私は今日どういう風なことをしたらいいのですか。私は今何をやらなければいけないのですか。こんなことがあるんです。こういうことを思っているんです、こんな問題があります。このことで悩んでいます。神様、あなたはどうお考えなのですか、みことばで御心を教えて下さい。」と言う風にお祈りするんですね。そうすると、沈黙の神さまであったりする場合が多いんですけれども、フッと誰々さん、と人の名前が出てきたりします。あるいは、「このことをやらなきゃだめじゃないの。」とかですね。ある得意先のこととか、私の場合はいろんなことがあって、仕事が人、物、金、時間、情報、いろんなものが交錯する仕事で、何から順番に出てくるかわからないですけれども、そういうのがあって。そのことの中でとにかく祈る。私は祈る時は紙をおいて祈るんですね。祈りの中に思ったことをとにかく紙に書く。というやり方なんです。で、そんなところから自分の今の、例えば横浜の駅前に店を出すということで、今こうなっているけれど、これを神様どうしたらいいんでしょうかねえ。と祈ったりします。「よく調べなさい。」と。時がありますね。結局時じゃなかった、とか。まあ前に進め、ということよりも、とりあえずそのままでいなさいとか。そんな事が多い。こちらの質問に対して答えるのじゃなくて、「本当に奥さんの事を真剣に考えているのか。」とか。あるいは後は、「誰々さんが今病気だということを、気にもしないのか。」とかいうようにですね。「そうですね。」というようなことが、そんなことが、ま、何があるかわからないですけれども。そんな時なんです。毎日課題が多いので、ふたつ三つ課題をお祈りしていますけれども。神様は重要な課題というか、私にとってあるいは会社にとって神様にとって一番重要なことを優先順位で、この問題についてこうこうと言われる時に、本当に素晴らしいな、と。
─私達BMPは、神様は私達の最高責任者、経営の最高責任者ですね。社長の場合は毎日神様と仕事も含めてご相談されているのですね。絶対間違いない神様が社長のことをいつも考えて下さっているから、一生懸命祈られるんですね。
上田:オーナーである神様の言う事をまず聞かないと、ということです。
─それでですね、そのオーナーと相談しながら社長の大きな夢を実現されたと思うのですけれども、今こう言う事を例えば3年後、5年後、もっと先も含めて考えていることがもし
ありましたらば。
上田:私は神様に祈って私は何をしたらいいんですか。ということを言った時に、精神的なことと具体的なことが一点ずつあるんですね。精神的なことは、隣人を愛しなさい、という言葉が出るわけですね。だからもうあれもしたい、これもしたい、ということを言わなくても、あなたは隣人を愛しなさい、ということをいわれるんですね。で私の隣人は誰ですか。家族、妻であったり、従業員であったり、あるいはビジネスマンの仲間であったり、あるいは取り引きしている工場かもわからない。隣人を愛しなさい。あなたはそこに心が行ってますか?ということを言われるんですね。やはり今そのことをやらなければいけないんだな、と。具体的に何したらいいんですか、ビジネスをやめて教会の奉仕をやりましょうか、とかね。そういう道もあるんですか、という事の中で、仕事をしなさい、しっかりと儲けなさいと、いう風に私は示されました。
─そのビジネスをしっかりやっていく中で、例えば会社を大きくしようとか、あるいはもっと店を出そうということもあると思うんですけれども、精神的なことについては、隣人を愛するということをもっともっと徹底していく、ということでしょうか?
上田:そうです。私自身が未熟だなと、自分のことしか考えていない。あるいは人のことを愛するよりも自分のことの方を優先している、そういうことは、そう思わされますね。「ああそうです」ということで、いつも悔い改めて、ということかな、と思いますね。あなたはそんなことを考えているけれど、自分のことを考えているだけで、じゃあ、人のことを、隣人のことをあまり思っていない。そう言う風にいろいろ祈ることの毎日です。
─あと、隣人との愛というと、具体的な形ですよね。例えば先ほども出ましたが、ご家族、隣人としての家族ですよね。例えば家族と一緒に時間を持つとか、次の段階としては具体的に考えて。いろんな形があると思うのですが。
上田:そうですね。いろんな形がある、というのはもちろんそうですけれども、やはり神様というのはバランスの神だなと。だから優先順位が出るんじゃなくて、やはり、すべて隣人、私にとって隣人、それはこの人を優先してこの人を後に、ということではなくて、バランス良く。私が生活しているところから言うと、妻、家族、取り引き先、教会、ビジネスマン、大阪とかあるいは阿倍野区とか、難波とか関西とか、日本とか。広く言えば、韓国との関係がものすごく強くて、韓国の方が多くて、東アジアとか、そういうのが隣人なんだな、というふうに思っているんです。具体的に隣人のために何をしているの、という中で、なかなかできそうでできないな、と。私は教会の兄弟姉妹というのも、隣人、家族、これもそうなんだな、と最近すごく思いますね。だからそれを具体的にどうするか。例えば経済的に支援したら、それであなたが人のために愛したの?ということとイコールかどうか、ということもあります。そのためにどうするか、というのはその次の問題だから。
─基本的な姿勢としては、その隣人になるという輪がどんどん広がっているということですね。ご自分の会社から、東アジアの人たちも含めて。あと具体的な事業としての長期的なご計画と夢というのはどうでしょうか。
上田:私はクリスチャンになって本当に最初に思ったのは、私はビジネスをするということは社会的に貢献することだと思った。それは学校を出た時も今も変わらないです。それはそのことをやる。しかし福音化というか、日本が福音化していかなければいけない。ビジネスマンが、その福音化ということを実行する時、私は聖書の中に本当にビジネス成功の秘訣がある、という風に思っているわけです。だのになぜ儲からないの?なぜ繁栄しないの?なぜ大企業にならないの?なぜ中堅企業にならないの?大企業になってもなぜ肉的には違うの?という問題はあると思うんです。私はそれをクリアできる人間になりたいな、と思っているんです。だから会社が良くなる、福音のためにも役立つ。そういう会社に、というのが私のイメージなんですね。だから福音のためになんだかんだやってみて会社がガタガタだ、というのは良くないと思うし、会社が良くなっているけれども、福音には協力しないと、いう風な形の会社であれば、それも本当に福音の人なのかと。色々あるんだな、という風に思っていましてですね。
─その間のバランスというか。
上田:バランスが大事かなと思います。やはりいい会社にふさわしい証しを立てたいな、というのがあります。
○成功の秘訣 毎朝2時間の祈り
─わかりました。それでは2番目ですが、毎日の日課としている事ですね。先ほどおっしゃった毎朝2時間お祈りをされるという風に、毎日習慣にされていることが他にありますか。例えば日記をつけるとか。
上田:私の場合は心の問題に対しては、早朝のデボーションと夫婦での朝のデボーション、日課としてはこのふたつかなと思うんですけれど。
─そうすると、社長はご自分でデボーションした後、奥様と二人で。奥様もご自分でデボーションされて、途中で合流されるという形なのですか。
奥様:最初は二人でやっていたんですが、早く起きるようになりまして、会社にも早く行くようになったので、なかなか。二人で祈れる時は祈ります。
上田:私はこのふたつをやりたいんですけれども、時間がなかなか。2時間も(祈りに)とると、出勤時間がなくて、電車の中でデボーションをしたり。
─出勤は何時ですか?
上田:家を出るのが7時半です。
─それでは早いですね。会社に着くのが。
上田:8時です。
○成長発展の要素は3つ、「祈り」「人」「行動力」
─ 3番目の質問ですが、事業が今日まで成長発展してきた大きな要素として、三つ挙げていただくとしたらどんなことになるでしょうか。
上田:ひとつは、祈り、そしてそれから与えられる神様の知恵、総合的な神様のお守り。
─祈りと知恵と守りですね。
上田:はい。ふたつ目は、「人」ということですね。仕事する仲間、いろんな意味においてこのメンバーでも友達でも、取引先でも従業員でも、あるいは師匠になる方、あるいは牧師、あるいは教会の仲間。それからパートナー、あるいは妻、そういう「人」に、ということがですね、発展の大きなポイントになると思います。成長するためのポイントかな、と。三つ目は、行動力と健康管理。健康が守られていること。祈りの中から行動するということ、その行動力が与えられているな、という感じがしますね。ただ、止まっているのではない。
─行動力ということは、いつも神様から燃やされているというか、そんな感じなのでしょうか。
上田:そうですね。神様から示されて方向性を確信する。私は単純なのか、素直なのか、示されると、その通りにやってしまう、という性格なので、考えているのではなくて、真剣に祈って、こうだといえば、そうする。決断が早いというか、私は創業者で、決断、決断の人生を生きている。そういうのを30年もやっていると、決断が早いですね。行動が早い。今まで行動が先になって失敗もしている。祈りが入ったから良かった。祈りで自分が確信して行動する。行動だけやっても失敗する。早合点してたな、と、間違った判断をすることも多かったです。
─それはクリスチャンになられる前と後とで、大きく違うところですね。行動力は一貫してあったのですね。もともとこういうお仕事が好きだというか、簡単に言ってしまえば働くことが大好きだということがあるのでは。もともと営業マンでいらっしゃる?
上田:いや、私はもともと営業マンではないんです。どちらかというと、芸術派なんです。ぱっと見はそう見えないかもしれませんが。絵を描いたりとか、デザインとかそういうセンスがすごくあるんですよ。小さい頃から展覧会に出すと必ず賞をもらう。そういう色彩感覚が鋭いんですよ。私の生まれた環境は、八百屋の息子なんで、小さい頃から商売を見ていた。仕入れて売って、そういう経験の中で、ビジネスというものが染み付いているんで、子ども心にお金というもの、経済が。自分の環境で育ったものと、持って生まれたものがある。もともと能弁で、表現が上手に、あるいは人を説得する力がある、というのではないと思うのですが、ビジネスをやらざるを得ないから、こういうことをやったわけです。営業的才能はなかったと思うのですが、一生懸命やっている間に、普通よりはましになっていったと思います。もっと優秀な人はいくらでもおります。
─そういう芸術的な才能というのは今のお仕事に活きているのではないのですか。色彩感覚とか。
上田:そうですね。今まで生きていたのですけれど、もう六十才に近くなりまして、今はその辺を言っている世代ではなくなっています
─ではそういう感覚については、どなたかに?
上田:任せていく。バトンタッチの時代ですね。
─でも絵を描いたりとか、ご趣味は今でもお持ちですか。
上田:いや、そういう趣味はないです。もともとそんなタイプなんです。けれども色の感覚というのは鋭いですよ。配色とか、デザインとか、ファッションとか、世の中の流れとか、そういうのに割りと強いですよ。自分で言うのはおかしいですけれども、見えない物に力をいれている。
─ 人間関係を広げていく上で気を付けていることが何かありますか?
上田:どっちかというと人間関係に弱い方です。仕事をやっていて人間関係で仕事をするタイプではないんです。
─でもいろんな方とお付き合いしていく中で、こういうことは大切だなということがあると思うのですけれども。
上田:私は、深いところで信頼されやすいと思うのです。本当に信頼しているという人は、困った時に本当の意味で協力してくれる人。そういう人がいますね。別に何か頼んだわけではないですが。そう多くあるわけではないんですが。
○「チュチュアンナ」経営方針
─素晴らしい財産ですね。それから4番目になりますが、聖書から具体的に教えられたこと。経営方針とか仕事のやり方とか人生観ですね。経営理念を明確にする、ということも該当しているのでしょうか?
上田:そうですね。聖書から具体的に教えられたことですね。経営方針ということの中で、聖書から「経営26ヵ条」というのを作ったのですけれども、その元になる根本的な考え方は、自分自身を愛するように隣人を愛しなさいと。だから一番大事なのは、全従業員の物心両面の幸せを追求し、というのがあります。誰のための会社か、というのが先にあって、社長の会社なのか、従業員の会社なのか。あるいはスポンサーがいて、資本家の会社なのか、あるいはお客さんが買われるのだからお客さんのための会社なのか、あるいは工場とか、販売先とか、そういう人達のために頑張るのか、いろいろな考え方があります。隣人のために愛する。会社は何の為に,誰の為にあるのか、聖書には自分自身を愛するように隣人を愛しなさい。会社を経営するというのは、倒産させてはいけない、社会に迷惑をかけてはいけない。会社の使命は何なのか、売上利益を上げて経費を減らす、それが経済の原理原則だ、ということであれば、まず、何のために? いい格好してはいけない。やはり全従業員のために、従業員というのは大きい意味で、資本家もあれば取締役、株主、社員、パート、アルバイト、全部含めてこれが従業員。お客さんのため、というのは、手段で、手段を目的に表現してはだめで、やはり従業員が幸せになるためにあるんだということ。これは聖書の中から与えられた「隣人を愛しなさい。」会社の経営理念ですから、会社の従業員のために適用する。だから普通会社が繁栄していないのは、従業員が、この会社はどうの、と言い出すんですね。この会社は人使いが悪い、自分は会社の外にいる。違うんだと。あなたは会社そのものなんだ。この会社を良くしたらあなたも良くなるんだと。会社の経営理念がそうなんだ。だから、聖書から学んだのは、隣人を愛する。これが私が一番初めに感じた事です。
─アメリカにサウスウエスト航空という飛行機会社があるんですけどね、そんなに大きな会社ではないのですが、やはり経営が思わしくなくて、新しい経営者に変わったんですね。その会社が、新しい経営者の元で立ち直っていったんですけれども。その経営者の方は、従業員を幸せにする為に経営を展開した。もちろん経営上ではいろいろな画期的な方策を講じまして、あの頃非常に安い飛行機運賃で、沢山のお客さんを集めるとか、いろいろな工夫をしてましたけれども、私が非常に素晴らしいと思ったのは、社員が社長を表彰したんですね。自分たちをこんなに幸せにしてくれた社長を私達は表彰したいと。社員が皆集まって、ささやかな贈り物を準備して。社長はその表彰が何よりも一番嬉しいと。
上田:私も今回のVIP横浜のスピーチの準備をしていて祈る中で思ったのは、イエス・キリストは十字架を担って私達のために亡くなられたということですね。私は従業員に福音を伝えたいという思いがものすごく強いんです。それがなかなか。最終的に私が従業員の為に死ななければだめなのだ、ということではないだろうか。だから死ぬということは、自分の欲を殺す。自分の名誉欲、金銭欲などの心の部分を殺さないと、従業員には本当に伝わらないな、と思いましたね。だから隣人を愛すると、口で言うのは簡単だけれど、実際できないんだな、自分が死ななければだめだな、もっとイエス・キリストに近付かなければだめたなと思います。
─死ぬということは、なかなか大変なことだと思いますけれども。ピリピ人への手紙の中に、イエス・キリストが自分をむなしくし、とありますね。謙遜な姿をとられた。ですからそれが従業員の中に伝わってくると、また変わってくるんでしょうね。ですからそういう意味で、強いリーダーシップと同時に、今社長がおっしゃったように、イエス様と同じように自分を殺す。あるいはむなしくなっていく、そういうことを大きなテーマとして捕らえていらっしゃるんですね。
上田:あと、聖書から具体的に教えられたことは、「人は心に計画をもつ、しかし主のみこころだけが成る」という聖句がありますね。で、今の多くの会社が成功しないのは、やはりいろんな人が心に計画を持つんです。私もそうだったんですが、なかなか計画通りには成らないのです。結果はやはり主のみこころだけが成る。だから祈ってみこころに従うようにしないと、そこに失敗の原因がある。時と人、物、金、すべてが調和しないと経営は成り立たないな、と思います。
─神様のみこころと社長のご希望とがぶつかったということはないのですか。私はこれをやりたいんだけれども、神様はなかなか答えられない、など。
上田:そうですね。私たちは全国に91店舗出店しているんですね。私の希望は、もっと100坪の店を出したい、300坪の店を出したい、あるいはユニクロになんか負けてたまるか、そういう風に思う部分があるんです。ビジネスというのは肉的な部分があって。しかしあなたの今の資金力、従業員、あなたの能力、歴史、商品の業界の特性、そういうことを考えてみなさい。それでも欲が出てくる。やはりみこころが成るという風に思いますよね。私は今一番の課題は出店なんです。全国飛び回って秋田へ行ったり熊本へ行ったり鹿児島へ行ったり、神戸に行ったり東京に来たり、いろいろな地方を見て決断しに行くのが仕事なんですね。一生懸命祈るんですね。やはり平安がない、というかどうしてもこのデベロッパーさんが私たちに対して信用がない、という場合に、まだ時が来てない、やはりもっと努力をしなければだめだと。スムーズにいかない。人間が高慢にならないように神様はいつも思うように行かないようにしているな、ということを感じます。
─そういう風に社長がご理解されているのは素晴らしいですね。この間御社の組織図を拝見したんですけれども、これに社長のどういうお気持ちが込められていますか。こちらの方たちはですね、一番上が取締役会になっていて、こういう形になっているわけですけれども、社長がいらっしゃって、監査役、取締役会、これに経営者会議、これは後継者育成も兼ねているのでしょうか。
上田:いや、後継者育成というのは今うちの会社ではないです。
─そうするとこれは店長さんとか、そういう方でしょうか。
上田:これはですね、私たち課長職以上を経営職と言っているんですね。そのメンバーが集まって。経営者会議がふたつあって、役員会議と経営者会議。役員でみんなが知恵を出し合って意見を出してする部分と、経営職、課長職以上ですね。そのようなものが集まって自分の考えや方針を出し、あるいは調整を行います。
─あとこちらの方に経営企画室、店舗開発とありますね。このあたりは会社の中枢部と考えてよろしいですか。
上田:本部機能、心臓部ですね。
─今このあたり何人ぐらいいらっしゃいますか。
上田:役員は4名、そして経営者会議のメンバーが、厳密には6名なんですが。会議に出席するのは10名です。
─で、月一回とか。
上田:経営者会議は月1回、役員会議は週1回です。
─そこで社長の考えなどを伝えて皆さんに理解してもらうのですか。
上田:そうですね。
─そうやって全国飛び回って大変ですね。
上田:はい、忙しいです。
○クリスチャン経営者に伝えたいこと
─それでは5番目に移ってよろしいでしょうか。
特にクリスチャンの自営業者、経営者に伝えたいことがありましたら、お話を伺いたいんですけれども。
上田:先ほどと関係したことですが、クリスチャン経営者、あるいは自営業者に、儲けてほしい、あるいは成功してほしい、と思います。そしてささげてほしい、と思いますね。そのために、私が伝えたいことは自分自身を含めて、恵みだけではだめだ。恵みプラス挑戦というのか、努力というのか、行動がないと。ヨシュアがそうであったように、ただ恵みで与えると言われても勝ち取らないと、だめだ。これが私からビジネスマンに言いたいと思うことですね。それと聖書の学びをしっかりとやらなければいけない。徹底的に聖書を学んでみ言葉を携えていくということを。それと祈りと信仰をしっかりと持つということ。これをクリスチャン自営業者、ビジネスマンがやっていけば、逆に儲かり、また成功していくんだ。ということを伝えたい。努力だけやっていてもだめだ、という風に私は思っています。
○患難は次の成長のため
─それから6番目ですけれども、順風満帆という時期がいつも続かないと思うのですね。逆境に立たされることもあると思うんですけれども、苦しい時にどんな風にしてご自分を支えてこられたのかということを、聞かせていただけますか。
上田:ローマ人への手紙5章3節から5節「患難さえも喜んでいます。それは、患難が忍耐を生み出し、忍耐が練られた品性を生み出し、練られた品性が希望を生み出すと知っているからです。この希望は失望に終わることがありません。なぜなら、私たちに与えられた聖霊によって、神の愛が私たちの心に注がれているからです。」患難さえも喜んでいます、ということは、患難というのは成長の母だと。患難があるということを喜んでいくという在り方というのが大切。私は創業者なので、それはその通りや、と。苦難を乗り越えて初めて身近に新しく能力がついてくる。だから損をすることもあるし失敗することもあるんだけれど、それをあまりくよくよ考えるんじゃなくて、その原因をはっきり見定めて、二度と繰り返さないように、トライしていく。だからこれは喜びだと。患難は感謝なのだと。能力をつけるための、次の成長のための時がある、と捕らえていく。
○人生の喜びを実業の中に見る
─喜びと同時に患難はある。そこに意味がある。悔い改めたりとかあると、恵みなんでしょうね。それでは7番目ですが、今経営のお仕事をされてまして、嬉しいとか、こういうときにこれをやっていて良かったなとか、仕事というのは面白いなとか、醍醐味を感じる時というのはどんな時でしょう。
上田:私はビジネスを自分の職業として選んだ中に、思っていたこと、そして今実感していることは、ビジネスというのは実業とよく言いますけれども、実のわざとしてあるわけですね。私たち社長も含めて、ビジネスする人の在りよう、在り方によって結果が表れるということですね。在り方というのは私たちの考え方とか行動とか、そのこと自体で結果が現れる、ということですね。その結果というのがお金であったり、人間関係であったり、情報であったり、そういうものが現れてくる。そのことで、共に喜ぶということ、そのこと自体が嬉しい。人の生き様の中に実感するということ。実業そのものが人生、そういうことの中に喜びがある、人生の喜びを実業の中に見ている、という感じです。
○経営には総合的バランス感覚が必要
─わかりました。それでは8番目になりますが、ご自分の持ち味も含めて、ご性格についてお話ししていただきたいんですけれども。
上田:三つぐらいかな。ひとつはバランス感覚だと思うんですね。要するに人に対することと、商品に関すること、お金に関することと、情報に関すること、ビジネスに関してですね、バランス感覚を持っている、そういうタイプの人間なんですね。普通人というのは商品のことだけにこだわっていたり、あるいは情報のことに随分強かったり、人間関係に関して強いとか、そういうのはあると思います。私の場合はバランスよくものを捕らえたり、判断したり、行動したり、そういうのがひとつあるかな。
─それは心がけていらっしゃるのですか。
上田:性格と心がけとふたつあると思います。そういうのが自分のタイプで、それがわりとうまくいっているかなと思います。今の時代は総合力の時代であって、何かがいいからと言っても、総合的にモノが満たされていますから、人間も満足しにくい。特に心の問題が満足しない。今のアパレルというのは、100社に1社しか成功しないといわれている。最近は1000件に1件といわれています。うちの会社を見ていると、トップの経営方針の中に哲学が流れている。やはりそこにものの考え方のレベルというか、グローバルであったりバランス感覚があったり。総合的に捕らえられる、私はそのタイプかなと自分では思うのですけれど。まだ小さいと言うか、未熟、それをもうちょっとやっていけるというのが私の課題でもあるわけです。
ふたつ目は色とか色彩とかデザインとかそういう部分というのは自分の得意中の得意で、持って生まれたものかな、と思います。
三つ目は私の性格なんですが、それは「義」ってあるでしょう。どうあるべきかという問題ですね。そういうタイプなんです。どうあるべきかを追求する、常にそういうところがあるんですね。しかしビジネスは、どうしたら得か損かという利益を求める。私はどちらかというと、その方向はあまり求めない。どうあるべきかを求める。いいところとしてはその三つかな、と思うんです。
○「義」を商品に表わす
─義を求める、ということについて、もう少し詳しく聞かせてください。正しさも含めてですか。
上田:両方ですね。正しさ、義、例えば物づくり、商品を作るということに関して、ソックス、所詮靴下ぐらいのもの、とよく言われるんですけれども、例えば私たちは女性用のソックスひとつ捕えても、普通捕らえると、靴下ぐらいでたいしたことない、そういうものの見方があるんですね。それは一般の人間が誰でも思う、ファッションの中で一番小さい商品ですから。ところが消費者は、要するに女性が靴下を買う時に、例えば口ゴムの長さとか、触った感じが硬いとか、ざわざわしているとか、薄そうとか、寒そうとか、弱そうとか、口ゴムがちょっと長いとか、あるいは何となく嫌いとか、色目が違うとか、わずかなことで買わないんですよ。それだけ深いんですね。繊維業界の中で一番小さくて目立たない、一番かわいそうな商品が靴下ですよ。ところがこれが本当に難しい。だからそこに「義」、商品はどうあるべきか、というのがものすごく大事なんです。私は商品の一番のポイントは触ったら分かる。研究熱心な性格だから、徹底的に朝から晩まで商品をああだこうだとやる。だから商品をちょっとこう触ってただけで分かるんです。極端に言うとどこの工場でいくらの値段で出来るかぐらいわかるんです。もっと言えば仕上げとかごまかし方とかが分かる。いい物を作ってお客様に供給しようという体質の商売の仕方と、何とかして金を儲けてやろうという商売の仕方というのは、それは心の問題ですよ。それが商品に表れるんです。私はその商品を見てこれはダメ、という基準がある。それが「義」なんです。商品というのはどうあるべきか。一番いいのは、こしがあって風合いがある。これが靴下の一番いいもの。簡単に言うと、硬いとか柔らかいとか、寒いとか暖かいとか、強いとか、言葉で言うと、こしがあって風合いがある。これは相反することを言っているんです。風合いというのはわたのように、ふわっとしたのをいう。こしというのは立つような感じ。ぐにゃっとなったらだめでしょう。風合いというのはぐにゃっとしているわけです。ピシッと立っているのになおかつ風合いがある、それが義なんです。だからどないしたら儲かるかなんて考えているから儲からないんですよ。どうしたら満足するかというのが義なんです。私はこの会社を創業した理念というのは創造なんです。物作りをしようというのは、お客さんが何を求めているかというポイントを捕らえていく。だから私は商品を触って、この工場では何を作ってもだめ、というように、AランクBランクCランクがあるんです。Aランクでいい商品を作っても、プライドが高くてものすごく値段が高く出てくる工場、それだったら採算が合わない。いいものを作ってサービスも良くて一生懸命やる工場で、そこと一緒に協力しながら物を作る、これがいいビジネスなんです。私はそういうのを大事にする。どないしたら儲かるか、この人をどう利用したら金が儲かるかと考えているビジネスマンもいっぱいいる、それは儲からないんです。
─風合いがあってこしがしっかりしている。これはお客さんが必ず分かることですね。
上田:深いところでそこを見ているんです。
─無意識のうちにお客さんは見ているんですね。
上田:深層心理、人間の深いところというのは、柔らかい物が好き、きちっとした物が好きというのがあるんですね。そこのところを捕らえないとだめ。相反しているんですね。風合いとこしというのは。それを作るためには金がかかります。
─それを作ってくださるメーカーさんに社長の哲学をきちっと伝えて。
上田:それを口で言っても分からない。何回もの付き合いの中で、あるいは本当の商売を通じて心合わせてやっていく中で分かってくる。
○社長の大切な仕事は「社員教育」
─そこは大事なポイントですね。ありがとうございます。それから最後になりましたけれども、社員教育の仕方なんですけれども、例えば会社の中で、社長が皆を集めて商品の意義について説明するとか。あるいは社員にいろいろなアイデアを出させるとかですね。そういう社員教育ですね。一般に言いますと。どういうことをなさっているのですか。
上田:私にとって一番大事なのは教育なので、社長がやる仕事の中の大きな柱が教育で、いろいろなことをやります。ひとつはですね、毎週月曜日に朝礼礼拝というのをやる。賛美歌を歌ってみことばを読んで解説を私がするんですけれども、牧師ではないので証をする。我社の経営理念と経営26か条に引用している聖書のことば、この聖書の箇所はこういう意味なんですよと。心構えの問題というのは哲学というのがまずひとつ大事なんです。テクニックの教育というのとやる気の問題という、いろいろあると思うんです。心の問題というのが土台になっている。バイブルフェローシップとか朝礼礼拝をやって、聖書に基づくものの考え方をじわじわ伝える。急に言われてもわからないし、耳には入るけれど、聞く気がないというのはあるわけですから、少しずつパンを池に投げているようなもので、たまにはちょっと入ってくる。どっと入ってきてしばらくないとか。そういうように徐々に伝わっていく。あとはバイブルスタディに行ってみことばを聞く。そういう土台の部分ですね。
─そこが基本なんでしょうね。
上田:そこが考え方の基本ですね。
─社長はクリスチャンで、役員の方とか部長さん課長さんの中でクリスチャンという方は、今どのくらいいらっしゃるのでしょうか。
上田:うちの会社は今社員80人、従業員が440人なんですね。その中でクリスチャンは6人います。役員の中では信仰を持っている人が1人います。
─社長が信仰を持たれてからその方たちも影響を受けたのですか。
上田:そうです。
─それはすごいことですね。
○これからの目標は、90店舗から250店舗へ
─この前お話をお伺いした時に、人口20万都市に新しい店を出すとおっしゃったのですが、仙台、大宮、そういう時に、同時にリサーチをされる、とおっしゃっていましたね。そういうところは専門の業者に頼んで、通行量とかをお調べになって、銀行の状況なども合わせてお考えになるのですか。
上田:出店するにはリサーチというのを徹底的にやります。通行量とか商圏人口とか競合関係とか、これからの商業施設の開発、都市計画とかあるいはそこのファッション状況とか、いろんなのを淘汰して、出店場所、コスト、情報、いろんな問題を合わせた中で出店する。
─今現状ではお考えになっている所はたくさんありますか。
上田:現在90店舗あり、会社としては250店舗出すのを考えているわけですね。けれども本当に町が今変化しているんです。商店街というのが今非常に厳しい状況になっていく中で、郊外型とか、町づくり、モールとかそういうのがどんどん出来てきまして、出店してもすぐそこが良くないという形で撤退したりとか、そういう中で6,7年で250店ぐらい作りたい、と思っています。
─それから私の家の近くに100円ショップが全国展開本社が大阪にあるんですが、靴下もあるんですね。そういうのはどんな風に値段が100円で売れるようになっているんでしょうか。
上田:私たちの商品とどこが違うかというと、まず完成度が違う。素材が違う、作っている工場が違う、それと技術が違う。従って履き心地、満足度が違う。特に私たちは企画とかデザインとかいうおしゃれということに対してかなり費用をかけているわけです。原価が違うということなんです。私たちのファッションビジネスというのは、だれにどういう商品をどう満足してもらうかというビジネスなので、そのポリシーにあった商品で満足してもらおう。というものです。
─それから提案制度のことをお伺いしたいのですが。
上田:会社とか組織は人材だなあと。提案制度というのを私は前々からうたってやってたんですが、それを仕切っていく、会社の440名の人たちに提案制度をやってその仕組み運動を運営していくことに関して、うまくやれない。モチベーションを上げる、そしてそれをやった人を表彰したり、あるいは褒めてあげたりあるいは啓発する、そういうことが出来る人がいない。それがやはりそういうことが出来る(優れた)人材が入社してその方の力によってどんどんと提案が出てきまして。
─それからもうひとつ、お客様からいろんな要求があると、すぐそれにリスポンスされるというような、その例をいくつか読ませていただいたんですけれども、メールが来たりするとすぐに返事をする、というような、そういう体制をとっていらっしゃるんでしょうか。
上田:そうですね。
─お客様からクレームとかは。
上田:お客様のおっしゃっていることを真剣に受け止めていかなければいけない問題がよくあります。しかし場合によってはお客様の我がままだけの場合もあります。また工業的に時代的に不可能なことを言っていることもあります。それは分析してすぐ判断してやるということで、会社として仕組みを変えたりそういうことをできる場合とできない場合があります。
─例えば何か不可能な提案というのは
上田:商品のことではなくて、よくあるのは接客に対するクレームですね。250人ぐらいのスタッフが店にいて、教育していても、例えばレジの後ろで携帯電話をしていたとか、商品は好きだけど、あんたの店では二度と買いたくない、というようなクレームが来たりするんです。それに対して私たちはそんなことがあってはいけない。教育していてもそういう問題が起こった。だれかわからないわけですね。ま、そのことに対して私たちは対処しようがない。会社としてこういうことがあった、気を付けなさいと。言うんですけれども、中にはそういう良くない状況にある人もおります。ま、そんなこともある。あるいは商品に穴が開いていた、ということ。で私たちは品質管理にはものすごく徹底しているんですよ。この3年間の間に従来の品質、穴が開いていたとか、汚れていたとかいうものは、10分の1に減らした。1万足に1足だったのが10万足に1足になった。だけど出るんですね。それは一生懸命仕組みを作った。しかし人間が検品するので見落とすというのがあった。そのことを反省しようと。じゃあ三重のチェックをやるかやらないかということで、やらないと。二重のチェックで見落としたらこれ以上やれない。
―お話は尽きませんが時間がきましたのでこのあたりで終わりにさせていただきます。
今日はどうもありがとうございました。
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